子どもに就かせたい職業No.1 公務員について語る

2021年、2022年と保護者が子どもに就かせたい職業No.1に公務員が選ばれました。
また小学生の男児が選ぶ就きたい職業No,1に警察官、小学生の女児が選ぶ就きたい職業No.5にも警察官が選ばれました。

これほどまでに公務員人気なのはなぜなのか?
おそらく一般的に言われているのは「倒産しない、補助が手厚い、給料が一定」という公務員が持つ「安定性」であると考えられます。

しかしながら、実際に公安系の公務員経験がある私が思うことは、「公務員は本当に安定か」ということです。

<倒産せずに給料は一定は本当か>
国の機関であれば確かに倒産はしませんが、地方自治体はどうでしょうか。過去には夕張市が財政破綻になり職員の給料は削減されました。
事実上の倒産であり、人員整理も行われています。

<補助は手厚いか>
確かに寮が完備されていたり、保険などのは補助がしっかりしている傾向にあります。
ですが、最近では労働者の環境も改善されてきており、住宅手当やその他の手当で補助を出している会社も多くあります。
公務員だけが優遇されている、というわけではなくなってきています。

加えて、公務員ならではの制約もたくさんあります。

これはあくまでも一例ですが、
・基本的には年功序列のため、能力に関係ない給与体系
・慣例や習慣が重視され、新しい試みがしづらい
・常に国や地方に仕える身としての囚人監視
・公務員の転職は容易では無い

なども現実問題としてあります。

これらのことを知らずに、ただただ「安定志向」という現実からは遠く離れた使い古された価値観で子どもに公務員を進める親たちは、一度しっかり現実を見つめなして欲しいとさえ思います。
その上で、国のために働きたい、犯罪を取り締まって平和な世の中を作りたい。
そういう子どもの思いの上に立って子どもの将来を考えて欲しいと思うのです。

今教育業界でに従事していて一番必要なのは子どもの成長ではなく、親の成長であると日々感じさせられます。

自分をアップデートせず自分の世代の考えを子どもたちに押し付ける親が多くいます。
ある意味、自分の生きてきた道ですからそれはそれで尊重されるべきですし、もちろんその経験が役立つシーンもたくさんあります。

ですが、すでに時代は大きく変化しており、これまでの価値観では通用しない現実があります。

公務員の仕事自体は尊く、国にとって必要な仕事です。
公務員につかれた方は誇りを持って従事していただきたい。

しかしながら、子どもに就かせたい職業の一番が公務員であり続けることに対して、大人は社会はこれが何を意味しているのかを考える必要があると思います。

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